フロンティア精神を歌う私立西部高校では毎年創立記念の日になると盛大なお祭り騒ぎになる。校則が無い分自立心が高い学生達はこの日を思い思いに楽しんで過ごす。
綺麗にめかしこんだキッドと鉄馬。派手に開かれるパーティのため二人で揃えた一張羅だったが、早めに用意したのが災いした。少しうたたねをしていた所を悪友共に狙われた。
こういう事をされたまま、黙っているようなキッドではない。一見穏やかに見える外見を保ったまま、笑顔で徹底してやり返す。本性をよく知っているアメフト部員の悪戯に、手加減などは必要無い。
年上だとて容赦はない。横目は礼服の上から縫い付けられた。「喧嘩王」こと仁科に対してはもつれるとやっかいな髪を念入りに結わえ上げて対処する。
その頃の陸。間と共に校内をパトロール中、キッドが仕掛けた騒ぎを耳にする。間が教えてくれるまでもなく、アメフト内部で身に付けた処世術「怒れるキッドに触るべからず」を徹底させる事に決めた。
同年代であれば遠慮はいらない。波多の髪の毛は丁寧に結った。着替えている最中に下だけを奪い取られた牛島先輩。閉じ込められた刃牙。
オシャレ陸君はお色直しをして更に校内を散策中、アメフト部での騒ぎを耳にする。結局その後、間も参戦したらしい。
「あの人達も好きだよなあ」
何だかんだで騒ぎが好きで。
何だかんだで仲が良い。くんずほぐれつ揉めながらそれでも揺るがない結束の強さをうらやましく思う。同学年の生徒は自分1人。こういう時になんだか寂しいものを感じてしまう。
そして、多分来年はもっともっと寂しくなる。
どうしようかと少し迷って、それから陸は部室へ走った。
残っている時間は短い。