[おうちに帰りたく無い]
帰ったら寝なくちゃならない。
寝たら起きないといけない。
大体何時間寝れるのですか。
こういう悪循環がもう動きたく無いと言う体とあいまって
会社でだらだらムサヒルタイムが始まります。
しかも今自分で自分の封印した扉「白雪姫」なんて開いたからさ。
もう止まらない。ちょっとおつきあい下さいね。
妄想世界迷作劇場レッツスタート!
昔昔あるところに、魔法の鏡がありました。
ただ、残念な事に。鏡はただの鏡でした。
何の魔力も持たず。何の力も持たず。ただ、しゃべるだけの鏡。
長い時間を過ごすうちに、鏡に伝説が増えて行きます。
何しろ、はったりが得意の鏡です。持ち主を喜ばせたり、がっかりさせたり。
たくさんの人間の間を転々とするうちに鏡はだんだん飽きて来ます。
だれか、壊してくれねえかなあ。
終わらせてくれないかなあ。
ふと、そんな事を思い出した頃彼が住んでいたのは某国の宝物倉庫。
ある日鏡は外に出されます。
「さあ、ドラゴンを退治する勇者を選んでくれ」
えらそうな王様はそう言って鏡を国民の前にかざしました。
たくさんの人間がいます。この中から誰かを選べって?
あほらしい。
適当な嘘でも言って、この場をかき回してやろうと思った鏡は
ふと、無数の雑踏の中から一人の若者に目が止まります。
人だかりでごったがえす広場の隅、通りすがりにちらりとこちらを
眺めるだけの若者は興味無さそうに立ち去ります。
待て。
鏡は思わず声を上げました。
そこのやつ!てめえだ!老けた顔してる、そこの猫背の頭にタオル男!
もっと、見たい。そう思っただけだったのに、鏡が叫んだ時には
国民は叫びました。
彼が勇者だ!!
靴屋のせがれが、選ばれたぞ!!
よくわからないまま、逃げ出そうとした若者を衛兵がとらえて。
王様の前に引きづられる彼。
皆は少し、首をかしげます。あんまり冴えない風貌の一見老けた若者。
まあ、鏡が選んだのだから内に秘めた力を持っているのだろう。
良く見ると格好良いかもしれない。
若いだけあって、体力はあるだろう。ドラゴン退治は長いから。
若者は、めんくらったままお城に招かれ、数日後には伝説の剣やなにやらを
持たされて、旅に出る事が決まりました。
よる。
鏡は少し不機嫌です。
折角そばで見られるようになったのに、ちっとも話しができないまま。
まだ名前だって聞いて無い。あっというまにたくさんの人に囲まれた青年は謁見の間へ。
彼を選んだ鏡は隣の鏡の間へ。
同じお城にいるというのになんという扱いの違いでしょう。
鏡の間なんて。びかびか光った無言の板があるだけのつまらない部屋です。
つまらない。
なんで、あの男が気になったのか、それだってわからないのに、
このままあいつは旅に出てしまうのかと思うととてもじっとしていられません。
深夜。
いらいらと時間が過ぎるのを待つ鏡。
朝になったらまた一つほらでも吹いて勇者には鏡が必要だとかなんとかかんとか。
大丈夫、ハッタリはとても得意です。
そんな、深夜。
鏡の部屋に忍び込んでくる影。
「……。なんだ、この部屋」
若者です。会いたかったあの男です。こんな夜中に何の用でしょう。
「何してんだ、てめえ」
「あ、お前か。鏡。」
そう、若者をこんな所に引っ張って来た諸悪の根源。
けれど若者は怒るでもなく、いたってのんきに鏡に話し掛けます。
「ありがとな」
「へ?」
「親がよ。うるさくてよ。靴屋、靴屋って。俺は大工をやりてえのに」
暗闇の中で良く見ると男は旅仕度を整えています。
「これで、この国を出て行っても文句はいわれねえ。おまけに旅費もたっぷりだ」
どうやら。降って来たチャンスに飛びついて、この国から逃げ出すようです。
思ったよりふてぶてしい、中々鏡好みの態度です。
「じゃあな、あんたには礼が言いたかったんだ」
おやおや。
これでお別れ?
この時が永遠のさよならだと予感した鏡はとっさに大声を上げます。
「待て!」
「しーーっ!」
慌てる男があっというまに鏡の元に走って来ます。
「俺も、連れてけ!」
「なんだって?」
「連れてかねえなら、大声出すぞ」
「………なんだって?」
さてさて。
こんな具合で始まった、ドラゴン退治のような、逃避行。
二人の未来は一体どっちだ。
ちなみに、鏡。
彼は全部忘れてしまうぐらい昔の昔に鏡に封印された魔法使いでした。
封印されたついでに、記憶も抜かれた事にしましょう。
うっすら覚えているのは、「愛する者が鏡を割ったら元の姿に戻れる」とか言う事。
鏡はそのうち武蔵に惹かれます。
武蔵はどうでしょう。
なんてったって、相手は鏡です。いつもじーーーと見てる、見ている。
見てるだけの、口煩い鏡です。(ヒゲ剃りに独自の小話あり)
視線が重くて布をかければわめいて転がり、こっそり置いて行こうとすれば
周りの人間を総動員させて鏡は武蔵を追い掛けます。
単なるやっかいもの。
ちょっとした旅の道連れ。
そんな風にしか思っていない武蔵は。ある日持ち前のがさつなうっかりで
、鏡を見事に落っことします。割ります。ガッチャンパリンです。
割れた破片から煙が立ち上って。
そこに、呆然とするヒル魔が現れますよ。
呪いってのも、簡単なもので。
本当は割れればすぐにでも解けるわけだったのです。
けれど、うっかりあんまり長い時間割られる事もなく、月日をすごしてしまって。
いつのまにかヒル魔も、記憶がだんだんあやふやになって。
都合良く「愛するモノ」だなんてオプションをつけてしまって。
さあ。どうなる。
ヒルは、鏡の中からいつも武蔵を見ていましたよ。
本当は大工になるとか言いながら、はらませちゃった近所の女から
逃げるためだったらしい事さえ、突き止めてましたよ。
ムサが自分の事をどう思っているのか。そればっかりが知りたくて。
でも、今。
こうして現世に人間として蘇って。
きっかけはムサが鏡を割った事で。
呪を解くのは、「真に愛する者の力」だったはずで。
俺は。武蔵に愛されている。
わけがわからずぽかぁんとしている武蔵にヒルはすっぱだかの自分を
恥ながらも、ああ、こいつに一生ついていこうと思う訳ですよ。
この日から、ヒルはムサにくっついて回りますよ。
うざいからと追い払われたりするんですが、こんな邪険な態度してるのに
「こいつは俺の事、魂の底から愛してるんだよなあ」
なんだか照れるぜって、わけのわからん思い込みでオールオッケー!
思い込みって素晴らしい。
こんな二人が結局長い時間をかけながら、
ヒルに付きまとわれて可哀想に思った人たちが同行してくれて、
最終的にはドラゴンを倒すまでのお話。っていうか、白雪姫って
どういう話だったのか、やまだは今すぐ調べて来てから世間に謝るべきです。
やまださんはすぐに「酷いムサシ」を夢見ますが、案外と
「酷い設定のヒル魔」を作るのも得意だったなあと今思いました。
はあ。
吐き出してすっきりしたのでお家帰って寝て起きて野球見てきます。
AM3:04
2005年09月23日(金) AM3:04
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