Antique Blue Cosmos  カンナ さまへ】 
* *      * *




なあ蛭魔。俺はお前が本当は嫌いだってこと。
知っていたか?

隣の席で寝息をたてる金髪の男は目を覚まさない。

知ってるよなあ。お前、俺しか見てなかったから。

頬には殴られた痕。首筋には幾重にも絡まった紐が残る。

なんで俺なんだ?

おかしな方向にまがったまま、固まった指先。長くて綺麗に動くそれが目障りで力任せに踏み付けてやった。
痛いと声もあげずにうずくまる姿が腹立たしくて、思いきり蹴ってやった、顔。

俺にどうされたい?

多分できる事は何でもやった。初めは愛してやった。愛して、愛して、あいしてやった。

可愛がってやった。全部を独占してやった。憎んでやった。嫌ってやった。
バカにしてやった。そうして、合間に優しくしてやって。
二人でできる事はきっと全部しつくした。

顎をなぞれば、ひきつった傷の痕が指に知らせる。
刃物を当てた時でさえ、楽しそうに笑ってこちらをみていた蛭魔。

すう、と穏やかな寝息だけが、蛭魔の生きている証。

お前は、ここで死んだっていいんじゃねえか。
生きてたって何もない。もう、何も無い。

俺はお前を置いて行く。


お前を独り、残していくのがとても心配だ。



夏が残った熱い大気は、肌の表面をべっとりと湿らせる。
顎をなぞる指の先はするりと乾いていて、生きている気配が感じられない。
これだけ暑い気温の中で、この乾いた具合がいつも不思議だった。

いつから俺は、お前が嫌いになったんだろうな。

俺にあわせて。一つ一つの階段を降りてくるお前を見るのが。
俺は本当に好きだったんだ。











ええと……。あはは。こんなざくっとしたもの、しかも内容がこんなのを
貰って下さる方もいらしたって訳で。酷い話なんですけれども
この先もまたろくでもなかったりすんですよね。ろくでもないので反転。
武蔵、長生き出来ないんですよ。
一人残されるヒル魔さんが可哀想だなあって思う話だったんです。
とんだ思い上がりだ、とも言えないぐらい武蔵の事が大好きなんです。
うちのヒル魔さんは。多分アメフトより武蔵です。偽者ですみません。

武蔵は、ヒル魔が自分の事が大好きだっていう姿勢が嫌いだとか
気持ち悪いとか思ったりしながら、その部分に甘えてるって事を
気が付かないまま死ぬんですかねえ。病気です。ちなみにサイトにある
「さんにん」ていうお話がこの先に繋がっていたりします。

ヒル魔は、武蔵がいない所で長く生きてもつまんねえな、と思ってて
まあ武蔵に最後やってもらえるんだったらさすがに忘れられないだろうしって
あっさり受け止めてしまうんですね。

やまだは武蔵もヒル魔も極端から極端に走ってしまう
どうしようもない人たちだと思います。微調整を知らないという。
そこを考えるとさくさく死にネタばっかり浮かぶわけですが
どのくらい死ぬ率高いかというと、日記書いて2日目ぐらいに
既にムサヒルで死にネタってました。最初からまずいだろうと
違う形で日記にしましたが、「金のおの、銀のおの」だったかな。





殺されたヒル。
殺したのはムサ。
最後に聞いたのはごめん。

闇に落ちる時、あなたを助けてあげますと囁く声に。
もう一度目がさめれば武蔵は喜ぶだろうかと考えて。
馬鹿みたいに派手に光るその手を払い除けた。

金の斧銀の斧

ムサシに会えた、もらえた全部に比べたら。
こんな結末さえも嬉しい。








陳腐で面白みのかけらもない話です。