男と寝るという事が、どういう事なのか俺は知らない。
気持ちが良くて、もっと欲しくて、腹が立つのに振り回される。
恋愛なんてそんなものだと思っているからこれは武蔵が相手でも違いは無い。
男と付き合う。それは案外簡単な事だ。
女相手よりもとても楽。顔色を伺うことも機嫌を取る必要も無い。
腹がたてば会わなければすむ。
手が出る時もあるしそれでも特に問題にならない。
武蔵以外にも数回ヤった。
武蔵が初めてという訳じゃない。
武蔵が特別上手い訳でもない。
平凡で、ありきたりで、どこにでもある普通の恋愛。
突っ込んで喘がせて満足させてやる奉仕よりも勝手に突っ込まれる方が楽だ。
ただ、稀な経験をしているなと思う時がある。「武蔵」がより強く残る時がある。
時には素手で殴り合うようなそんな相手とのセックスよりも、忘れられない強い感触。
武蔵とのキスが後まで残る。
触れるだけでも、深いものでも、寝起きや寝入りや出かける時。
どんなに短いキスの時でも武蔵とすると、「それ」が主張する。
顎の先から頬にかけて、武蔵の肌を覆うひげ。
ヒル魔の頬には無いそれが、いつもいつも主張してくる。
ヒル魔の柔らかな顎や口元に、時には目尻や頬を撫でる。
武蔵の股間に顔を埋めるより。
武蔵に突っ込まれている時より。
「男」を相手にしていると強く感じる日常の一瞬。
セックスをした後はシャワーを浴びて汗を流す。
身体の奥に残った熱と余韻はそのうちに消えてしまう。
激しかった、気持ち良かった、そんな記憶が積み重なって日常の中で消えてしまう。
けれど、顔に残るあの感触。
ざらりと撫でて消えた感触。
触れる唇は柔らかく、感じる体温は暖かかった。
何かを食べれば記憶は薄らぐ。誰かとしゃべれば熱も冷める。
武蔵と恋愛をしている実感。それはきっと「これ」なんだろう。
手のひらも、口の中も、下手をすれば身体の奥にも、他の誰かが触れる事がある。
毎日生活をしていれば、いやでも記憶は上書きされる。
けれど。
普段は滅多に何も触れない、ヒル魔の顔を撫でるあの感触だけは不思議といつまでも残っている。
それに附随して蘇って来るいくつもの記憶。
武蔵の鬚がヒル魔を撫でるのは何も顔に限ってはいない。
首筋、肩口、胸、腹。蘇る記憶に附随する荒い息と舌の熱。滑らかに動き、広く舐め上げ、時には固く尖る舌。
痺れる程度に甘く嚼む歯。上ずった声。押し付けられる熱の高さ。肌の熱さ。身体の重さ。腕の強さ。視線の強さと気持ちの不確かさ。
呼び水になるのはちりちりとした接触。
押し付けられると不快なぐらい、荒れて乾いたむずがゆさ。
目を閉じている時。眠っている時。暗闇の中で武蔵が触って来る時に。
とても欲しくなるざらついた感触。キスされるだけじゃあ分からない。顎と頬に触れたくて顔をずらして顎を寄せる。
臭いや声や音や癖。武蔵を判別する色々な物の中で一番武蔵を感じる部分。
男と、恋をしていると思い知らされる一番強くて濃い感触。
武蔵がいない間にも、消える事が無かった感触。
この先何が起きたとしても、きっといつまでも消えないのだろう。
武蔵と恋愛をしている感触。
2人でいるのも一緒に寝るのも何をするのもとても好きだけれど、もしも1つだけ選べと言われればきっと顎に残る接触を選ぶ。たとえ別れる事があっても。たとえそばにいられなくなっても。この身体が覚える感触の中で、一番最後まで残るだろうから。
武蔵はずっと勘違いをしていて、ヒル魔はキスが好きだと思っている。
馬鹿には勘違いをさせておこう。
のしかかってくる武蔵をかわして、最初にするのはいつもキス。最後にするのも必ず、キス。
例えこれが最後になってもずっと覚えていられるように。
初めはキス。最後もキス。
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いよーーす。いよっす。
コメントこんだけでいっすか、てぐらいに気恥ずかしいです。
どんな話だったのか覚えてなくて読み直してまるっと全部書き直したいです。
タスケテ(笑)こここ、こっぱずかし!!!!!
これ稲葉さんへのお誕生日祝いなんですけど。
やつのお誕生日、5月じゃないですか。でも送ったの多分最近なんですよね。
しかもまだ終わってねえ
去年やまだのお誕生日に3枚イラストいただいたのでお返事も3つ、て。
思ってたんですが。ね。うふ。あは。いひひひひ。ぎゃっぎゃ!!
まだ2つしか送ってないねえ……。うん。送ってないねえ。
年内になんとか。と言っているものがいくつかあるのでねえ。
が、がんばります。
いつも仲良くしていただいてありがちゅうーーう!
もっと仲良くして下さい。あと、もっとかまってください。
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